
婦人科
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月経とは、約1ヶ月の間隔(25~38日)で子宮内膜から自然に出血し、自然に止まる(約3~7日、平均4.6日)周期的出血と定義されます。月経不順とは、その正常な月経周期を外れて周期が短くなったり長くなったりすることを言います。
まず周期が短くなる場合ですが、25日未満で次の生理がくることを頻発月経といい、排卵の有無により無排卵周期、卵胞期や黄体期の短縮などがあります。
次に周期が長くなる場合ですが、次に生理がくるまで39日以上3ヶ月以内のものを稀発月経といい、無排卵周期や卵胞の成熟に時間がかることで卵胞期が長くなってしまうことなどです。また月経は女性ホルモンにコントロールされています。女性の体内で卵子を含んだ卵胞が生育する間、エストロゲンというホルモンが多く分泌されます。排卵されると、今度は妊娠を助けるプロゲステロンというホルモンの分泌が盛んになりますが、妊娠しないと子宮内膜がはがれて月経が始まります。
このホルモンのバランスが崩れると月経不順になってしまいますが、その原因には過度なダイエットや太りすぎ、生活習慣の乱れ、精神的な負荷(ストレス)などが考えられます。また、子宮や卵巣、甲状腺などの病気が原因のこともあるので注意が必要です。
月経不順は十分な睡眠をとって規則正しい生活を送るだけで改善することがあります。月経不順が続くと妊娠しにくくなることもあるので、繰り返し月経不順が現れるようでしたら婦人科受診をお勧めします。
女性のデリケートゾーンの痒みには、外陰部の感染によるもの、全身の病気によるもの、原因がはっきりしないものまで様々あります。
主な外陰部の感染は、ウイルス感染症(ブドウ球菌、大腸菌など)、トリコモナス膣炎、外陰・膣カンジダ症などがあります。外陰・膣カンジダ症はよくある感染症の一つで、酒粕のようなおりものが多く強いかゆみを伴います。
感染症以外で気を付けたい痒みは、悪性腫瘍など全身の病気としてのサイン(症状)です。悪性腫瘍以外にも、肝疾患、腎疾患、糖尿病、ビタミン欠乏症などが考えられます。免疫力低下による症状の可能性もありますので、併せて注意が必要です。また免疫力低下の要因とも繋がってくるのですが、ストレスや心因性による精神的な問題の場合と、自律神経失調症で症状が出る場合もありますので、ストレスケアが大事になってきます。
またデリケートゾーン(外陰、膣壁)が乾燥し、かぶれやすくなることから痒みが出る場合や、ナプキンによるかぶれからの痒みなども考えられます。特に閉経後、分泌されるホルモンが減少することで、外陰と膣壁の粘膜や皮膚が乾燥しやすくなることがわかっています。ナプキンによる痒みが気になる場合は、ナプキンやおりものシートを別のものに変えて様子を見るなどしてみてください。洗濯洗剤や柔軟剤を見直すだけでも症状が改善することがあります。痒みに対する治療は原因や症状に応じて、対処療法や、飲み薬、塗り薬などを使っていきます。
子宮・卵巣の主な病気として、子宮筋腫・子宮内膜症・子宮脱、膀胱脱など骨盤臓器脱・子宮頸がん・子宮体がん・卵巣腫瘍などがあります。悪性腫瘍はもちろんですが、良性腫瘍も不妊のリスクがあるため、早期発見・早期治療が求められます。また、不正出血がみられることがあるので、閉経後や性交時の出血、痛みなどを感じたら、婦人科の早期受診をお勧めします。
子宮に出来た良性の腫瘍のことを言います。年齢的には中年女性に多く見られ、閉経とともに消える場合もあります。性成熟期に発生し、閉経すると筋腫が小さくなることから、女性ホルモンが深く関わっています。できる場所によって症状は違いますが、共通しているのは経血量が増えることと月経痛(生理痛)です。子宮内部にできると、小さくても症状が現れます。大きくなると不妊や流産を招く恐れがあり、筋腫が膀胱や尿道を圧迫して頻尿になることもあります。
本来生理は、子宮の内膜が剥がれ落ちることで起きます。子宮内膜症とは、子宮以外の場所(卵巣、卵管、骨盤内の腹膜など)にこの内膜が付着し、生理と同様のことがそこで起こることによる疾患です。子宮筋腫と合併して起こることもあり、治療にピルを使うこともあります。
子宮頸がんは主にウイルス感染によって子宮の入り口にできるもので、近年、若年層の子宮頸がんの発症が増加しています。子宮頸がんの原因は性行為による感染(ヒトパピローマウイルス)であることがわかっており、子宮頸がんワクチンを接種することで予防できるといわれています。
子宮体がんは、閉経期前後から閉経期以降の50〜60才台がピークとなっており、主に閉経前後あるいはそれ以降の疾患であることがわかります。子宮体がんのほとんどは子宮内膜から発生しており、不正性器出血が主な症状です。
腫瘍には良性と悪性があります。悪性腫瘍はがんのことで、周辺の組織に浸潤して破壊したり他の臓器や骨などに転移したりしますが、良性腫瘍は浸潤も転移もなく、すぐに命を脅かすものではありません。初期では自覚症状がほとんどなく、症状が進行して腫瘍が大きくなると、腰痛、下腹痛・下腹部膨満感などの症状が出てくるようになります。
閉経前後から閉経後の時期に女性ホルモンの分泌減少によって起こります。
症状は様々で、代表的な症状に「ほてり」「発汗」(ホットフラッシュ)、手足の冷え、イライラ、動悸、めまい、不眠などがあります。
状況に応じて女性ホルモン剤を使ったり漢方薬を使ったりします。
更年期障害かどうか、ホルモン検査で確認できます。
また後述のプラセンタ注射等を行うこともあります。
年齢に関係なく、生理のはじまる3~10日位前から体や心に様々な症状が起こるものです。
症状はイライラ、動悸、めまい、集中力の低下、身体のむくみ等様々で、生理による女性ホルモンの変動が原因ではと言われています。